INTERVIEW

テストエンジニアとして
アプリ品質の最後の砦を守る

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HINO

日野 豪

コネクテッド開発

テストエンジニア

工学部 工学科 卒業

[拠点:浜松本社]

私は、「スズキコネクトアプリ」の品質評価担当として、テスト計画の策定や進捗管理、不具合解析を中心に品質評価業務を管理しています。

入社以来12年間、車載ECU(電子制御ユニット)の評価業務には携わってきましたが、スマホアプリの評価業務はゼロからの挑戦でした。外部機関とも協力しながら、効率的で信頼性の高い評価プロセスを構築してきた経験は、私のキャリアにとって大きな財産です。

スズキコネクト」のリリース後は、不具合改修作業を担当。現在は、既存機能の改善や新機能の開発時における、品質テストの計画・設計・実施・検証までをワンストップで対応しています。

そんな私の誇りは、日々進化するIT技術に追随しながら「リリース品質を守る最後の砦」として責任を果たすこと。これからもお客様にとっての品質を第一に、コネクテッド事業の未来を切り拓くテスト体制づくりに取り組んでいきたいと思っています。

PROFILE
  • 2008

    4月 スズキ入社。同年12月、四輪電装設計部に配属。エアコンのコンプレッサー制御の設計や評価、オートエアコンの自動評価環境の構築と評価を担当する。

  • 2014

    車両全体を模擬する評価装置の開発プロジェクトに参画し、車載ECUの評価環境を構築

  • 2016

    メーターの制御担当チームに加入。メーターおよびヘッドアップディスプレイの評価などに携わる。

  • 2020

    コネクテッドセンターに異動。スズキコネクトアプリの品質評価を担当する。

  • 品質評価の仕事一筋、未知の領域も切り拓く

    私はスズキコネクトのアプリ・サーバー開発において、テスト業務を担当しています。主な役割としては、テスト計画を策定し、検証・評価まで進捗を管理していくことです。

    私がコネクテッドセンターに参加したのは、スズキコネクトがリリースされる1年ほど前。それまで、車載装置の評価業務は12年の経歴がありましたが、スマホアプリ評価はノウハウも経験もゼロからのスタートでした。

    そもそも、テストケース(確認すべき項目や実施手順などを具体化したもの)が別物ですし、不具合が見つかった時に原因を解析するプロセスも異なります。どのようにテスト計画を設計すれば、動作を正しく検証し、信頼できる結果を得られるか。立ち上げの最初は外部の専門機関にも協力を得るなどして、 テストケースを作成していきました。

    スズキコネクトが無事にリリースできてからは、不具合改修対応へと役割が移り、さらに現在は追加機能や機能改善の品質評価も行っています。

  • テスト業務の成果も“エンジニアリング”が鍵

    スズキに入社したきっかけは、大学からの推薦です。担当官が「自動車メーカーとしては、独自路線でインド市場を開拓してきた会社。将来性がある」と推薦してくれたんです。面接を受けてみると、任される仕事の幅が広く、若い時からチャレンジできる印象を受けました。会社としても個人としても成長イメージを持てたことが決め手になりましたね。

    大学では電気電子工学を専攻しました。数学と理科が好きですし、父が機械設備系の配線工事の仕事をしていたことから、いずれは電気関係の仕事もいいなと思って選んだ進路です。父はいつも「手に職をつけることが大事」と語っていました。私も大学で勉強したことを活かしたい気持ちから、スズキに入社後は電装設計部を希望し、配属となりました。

    エアコンのコンプレッサーの制御の機能評価からスタートし、その後、オートエアコンの制御の機能評価を担当することに。オートエアコンの制御のテストをする時は、車両の挙動環境を模した「HILS(ヒルズ)」と呼ばれるテストインフラを用います。

    この時、HILSのテスト環境をどのように構築するかがポイントで、たとえばオートエアコンのスイッチのON/OFF一つとっても、スイッチの仕様に応じて検査環境やシナリオを書き分ける必要があります。さらに、テスト工程は迅速に終えなければいけません。支援ツールを用いたり、プログラムを構築したりしてなるべく自動化を進めていくのですが、このように手順や手法のベストプラクティスを模索するエンジニアリングが私はとても好きですね。

    2014年には、車両全体を模擬する評価装置の開発プロジェクトに参画し、車載ECU全体を評価するための環境構築に携わりました。それが一段落した後は、メーターの性能・仕様評価を経て、スズキコネクトアプリのテスト業務を支援していた経緯から現部署に配属となりました。

    IT技術の進歩は速く、今までのアプローチでは対処できない事象が日常的に発生します。ですが、日々勉強してテスト計画を改良していくことは、エンジニア冥利に尽きます。また、クルマは数年という長いスパンで開発していきますが、アプリは数カ月ごとに改修してリリースし、すぐにお客様の反応が返ってきます。自分の仕事が貢献している実感が持てて、モチベーションアップにつながります。

  • 事業スピードにあわせ迅速に品質保証できる体制を築く

    テストエンジニアとしてのキャリアも入社以来17年を迎えます。今はテスト業務全体を管理する立場になり、従来とは異なる課題に直面しています。たとえば、リリース目標にテストを間に合わせること。評価検証の工程は終盤であることが多いので、前工程までの遅れが響きます。評価中に不具合が発生すると手前の修正が必要になるなど、全体のコントロールが難しいですね。

    ですが、私たちテストエンジニアは、リリース品質を守る最後の砦です。今はクルマにおいてもソフトウェアの重要性が高まっている中、内包される不具合の種を事前に解消することや、評価検証のオペレーション改善を図ることも大事な役目だと思っています。

    これからも品質を第一目標に、エンジニアリングや自動化など楽しめる要素も取り入れながら、スズキコネクトの品質向上に向けたチーム体制を目指していきます。

  • スポーツがつなげてくれる地元の輪

    「社外にも友人の輪を広げたいね」と、同じく地方から浜松に来た同僚と話してスポーツを始めました。バドミントンサークルを立ち上げ、ホームページも自作、コロナ禍前まで10年ほど運営していたこともあります。浜松では市営の体育館を手軽に借りられますし、スズキにも運動系のサークルがあるので、好きな機会を見つけて参加してみること、おすすめです!

     

    ※部署名、内容はインタビュー当時のものです。