

PERSON
“ものづくり×ビジネス開発”で挑む、
新価値創造の最前線
TOMOHIKO
KOBAYASHI
小林 智彦
新規事業開発
国際関係学部 国際政治学科 卒業
[拠点:浜松本社]
前職で国内メーカーの海外営業を担当した経験から、「どんなに高品質な製品でも、“作って売る” だけではいつか限界が来るのではないか」と、危機感を抱くようになりました。世界では、製品に付帯サービスを組み合わせた新しいビジネスモデルが普及しはじめ、そのような新事業を展開する企業が存在感を増してきたためです。
「私も今後は、サービス化や事業開発の観点から、日本のものづくりの発展に貢献できるようになりたい」。そんな想いから、スズキへのキャリアチェンジを決断。法人顧客向けクラウド型車両管理サービス「SUZUKI FLEET(スズキフリート)」の事業化に参画し、サービスのリリース後はカスタマーサクセスや販売拡大に注力してきました。
お客様の現場を訪ねながらサービスの活用方法を考え、信頼関係とともに事業を育てていく。スズキが長年かけて培ってきた事業基盤を原動力に、自動車業界の未来に挑戦できる、この仕事ならではの魅力をお伝えします。
PROFILE
-
2021
10月 スズキに入社し、SUZUKI FLEETの事業化準備を担当。ほか、複数のモビリティサービスの企画検証にも携わる。
-
2023
3月 SUZUKI FLEETをリリース、拡販活動に従事する。現在は、戦略計画の策定から拡販活動までをカバーし、マーケティング活動にも関わる。
-
お客様とともに新価値を育む、カスタマーサクセスの役割
私は、SUZUKI FLEETの事業企画担当として、現在は主にカスタマーサクセスに携わっています。SUZUKI FLEETは、モビリティデータプラットフォームを展開するスタートアップとの共創により2023年3月にリリースした新規サービスで、法人のお客様の車両管理を効率化するためのソリューションです。
私たちカスタマーサクセスは、「SUZUKI FLEETを有効活用いただき、お客様のビジネス成果に結びつける役割」だといえます。サービス導入が現場の課題解決に結びついているかどうか、アフターサポートが欠かせません。また、お客様の業務フローを詳しくヒアリングし、それに合ったSUZUKI FLEETの最適な活用方法を提案しています。
例えば、移動販売を手がける小売業のお客様は、ドライバーのアルコールチェックや車両の日常点検がきちんとできているかなど、車両管理におけるコンプライアンスを気にされていました。移動販売自体が新しい業態だったため、まだ運用方法が確立しておらず、悩まれていたのです。
そこで、私たちも実際の仕事に同行しながら、様々な角度からSUZUKI FLEETの活用方法をご紹介。結果、アルコールチェックの作業と記録を自動化できたことに加え、実施忘れを防ぐアラート機能も備えるなど法令順守の仕組みが構築されました。
このように現場に立脚した価値提案ができる背景には、社員1人ひとりの自発的な行動や現場を大切に考えるスズキのカルチャーがあります。新規事業は試行錯誤の連続だからこそ、上司も「まずはやってみよう」と応援してくれる環境です。
-
ものづくりの新たなビジネス創出に向けた転機
前職では金融機関向けの端末を手がけるメーカーで、海外営業や販売企画を担当していました。色々な地域での製品展開に携わる中で痛感したのは、「製品を作って売る」という製造業の従来型ビジネスモデルの限界です。
日本製品の品質は、今も世界で高く評価されています。一方、海外では、ハードウェア単体だけでなくソフトウェアと組み合わせて、製品自体の保守や運用までを請け負うマネージドサービスが台頭していました。これは、お客様が求めるビジネス上の価値を提供しつづけることで継続的な収益を得る画期的なビジネスモデルであり、普及が見込まれていました。
この変化を目の当たりにした私は、「サービス化やビジネス開発で日本のものづくりに貢献できる人材に成長したい」と、キャリアチェンジを決意するに至ります。
転職先として自動車業界を選んだ理由は、日本の基幹産業であり、MaaS(※)など新しいビジネスの芽が生まれている分野だったこと。とりわけスズキは、インドをはじめとする海外市場で確固たる信頼を得ていながら、新規事業にも果敢に取り組んでいました。スズキなら、「ものづくり」から「ことづくり」への挑戦に立ち会える。そう感じられたことが、決め手になりました。
スズキに入社すると、社内ではまさに様々なプロジェクトが走っていました。その頃は、SUZUKI FLEETもまだプロジェクト段階。スタートアップとの協業を通じて、サービスを形にしていく立ち上げ期に私は参画しました。スキームや商流、体制などを検討すること約1年半。ようやくサービスとしてリリースできたときの達成感は、今も忘れられません。
振り返ると、実践を通じて事業開発のノウハウを体得してきたように思います。SUZUKI FLEETにおけるスタートアップとの共創は今も続いており、事業や課題に対して当事者意識を持ち結果にコミットする「オーナーシップ」の姿勢などたくさんの学びを得ています。
(※)MaaSとは|Mobility as a Serviceの略。モビリティの本来価値である移動機能に、サービスやテクノロジーを組み合わせた次世代の交通・移動サービスのこと
-
事業収益の安定化、そして事業価値の最大化へ
サービスをリリースした後の重要なミッションは、安定的な収益の実現です。そのため今後は、SUZUKI FLEETの認知拡大にも注力していきます。
2025年には、日本最大級のDX総合展「Japan DX Week 2025春」への出展を実現し、車両管理を起点とするDXツールとしてSUZUKI FLEETを多くの方にご紹介できました。また、夏にはSUZUKI FLEET専用のサービスサイトを立ち上げ、徐々にデジタルマーケティングにも着手しています。
長期的には、SUZUKI FLEETから得られるデータや知見を、スズキ全体の開発や生産に活かせるようにしたいですね。会社全体への貢献という形で、より大きな価値を生み出すことが目標です。
SUZUKI FLEETの仕事は、モビリティサービスを通じてお客様の営業活動やビジネス基盤を支える仕事です。「まずやってみよう」の精神で未知のチャレンジを楽しめる方々と、ご一緒できるとうれしく思います。
-
自然の豊かさを身近に感じる暮らし方
スズキへの入社を機に浜松へ移り住み、日照時間が長く気候も穏やかな気候がすっかり気に入りました。海や川、山などの自然も豊かで、気軽にアウトドアを始められます。今ではキャンプが休日の趣味となり、先日は富士山を眺めながら1泊。自然と触れ合う楽しみが暮らしの一部になっています。
※部署名、内容はインタビュー当時のものです。