PERSON

国内外の協業や出資を推進し、
持続可能な未来を拓く

TARO
AMANO

天野 太郎

スタートアップ事業開発

マネージャー

理工学研究科 機械工学専攻 修了

[拠点:浜松本社]

「なぜ、想いをもってつくり込まれた製品を世に出すことができないのだろう?」。それは、技術者として働く日々の中で次第に強く感じるようになった疑問でした。 スズキには、真摯に作り込まれた製品や技術の種、そしてそれに懸ける社員の想いが存在しています。しかし、その多くはまだ日の目を見ていません。そんな技術者としての葛藤から辿り着いたのが、スタートアップとの共創という新たなアプローチです。

2022年10月、当社はシリコンバレーにベンチャーキャピタルファンドを設立しました。それに伴い、日本の本社にも多様なスタートアップとの協業・出資を推進する部署が新設され、私はその一員になりました。「お客様の立場になった価値ある製品づくり」、「小・少・軽・短・美(小さく、少なく、軽く、短く、美しく)」というスズキならではの価値観で磨かれた技術と 、スタートアップの先端技術が融合し、いままさに大きなインパクトを生み出そうとしています。
これまで培ったスズキの技術と社員一人ひとりの想いを礎に、 将来にわたって社会と人々の役に立つ事業を継続させていく。そんな私のミッションについて、お話ししたいと思います。

PROFILE
  • 2004

    4月 スズキ入社。二輪エンジンの設計部門に配属後、6年間にわたり50㏄~1800㏄クラスのエンジン設計・開発を担当する。

  • 2010

    8月 コンピューターシミュレーション技術を開発するCAE推進課に異動。エンジン関連部品の性能解析開発および製品開発プロセスの改善に従事。

  • 2023

    6月 次世代モビリティサービス本部 スタートアップ事業開発課へ異動。国内外のスタートアップとの協業・出資を検討、プロジェクトを支援する。

  • スズキの未来を拓く新たな戦略、その実行を支える

    私の所属するスタートアップ事業開発課は、多様なスタートアップとのパートナーシップにより新たな技術や事業を創出するため、2022年に新設された組織です。主な業務は、国内外のスタートアップと接点を持ち、協業や出資の可能性を検討すること。シリコンバレーに拠点を置くコーポレート・ベンチャー・キャピタルファンド「Suzuki Global Ventures(SGV)」のチームと密に連携し、グローバルな視点で実務を進めています。

    取り扱うテーマはモビリティに限らず、環境、エネルギー、ITシステムまでと幅広いのが特徴です。なぜなら私たちの活動は、人々の暮らしや移動を支えつづけるというビジョンに向かっているから。協業や出資は単なる資金的・技術的な支援ではなく、スタートアップとスズキが共通の目標を持って共創するための「絆」だと考えています。

    経営陣からは、日々「この技術や事業は、誰の役に立つのか?」という根本的な問いが投げかけられます。そうした問いに答えるためには、事業開発の現場を深く理解している必要があり、社内の事業部門との橋渡しも重要になります。ですが、ひとたび取り組む意義が見えたなら、スズキの意思決定は非常に迅速です。私たちは、協業や出資が決まった後の事業推進までをサポートし、世の中の変化スピードに負けない事業化を目指しています。

  • 新たな挑戦への扉を開けたのは、技術者としての葛藤

    スズキへの就職を希望したのは、学生時代に、バイク屋でバイトしながら草レースにあけくれたことと、学んだ工学の知識を活かしたい気持ちから。念願叶いスズキに入社、二輪のエンジン設計者としてキャリアをスタートしました。スズキの設計業務は幅広く、材料から構造、機構、テスト、生産まで多くのことが身につき、社内の様々な職種の方々と関係することができます。また、その後コンピューターシミュレーションによる解析業務に従事したこともあり、工程全体の理解を深めるとともに、新たな方々と交流することで、視野が広がっていきました。

    ですが、次第に「なぜ、想いを込めて作り上げた製品が世に出て行かないのか」という疑問が膨らんでいきました。時代を先取りしすぎたり市場が小さすぎたりして、市場に出ることなく眠ってしまう技術が、社内には決して少なくありません。私も数々のエンジンを設計、評価してきましたが、日の目を見ない製品があることに苦しくなることもありました。

    そんな現実を目の当たりにし、私は、技術の“出口”について強く考えるようになりました。そこから、システムデザイン・マネジメントの研修やビジネスに関わるイベントに出向くなどして、活路を探る中で見つけた一つのヒントがスタートアップでした。その頃、社内でも、スタートアップの起業マインドやスキルを学べるシリコンバレーでの現地研修が実施されており、私も参加。ほかにも起業体験イベントの運営リーダーを務めるなどするうちに、挑戦への意欲が満ちていきました。社内に向けてスタートアップとの連携の必要性を伝えたところ、現組織に登用され、今に至ります。

    私たちの活動の根底にあるのは、社是と「小・少・軽・短・美」という行動理念です。この価値観のもとで育まれた企業文化と、製造・開発・販売にわたる豊富なアセットが、“ちょうど良い”製品を世界中の人々に届け、人にも地球にもやさしい社会を実現します。 そんなスズキの強みと、スタートアップの方々が持つ先端技術や想いが掛け合わさることで、社会課題解決にもたらされるインパクトは強大です。

    たとえば、米国のGlydways(グライドウェイズ)社とは、人々の身近な足となる交通システムを実現しようとしています。私たちが目指すのは、電車のように専用レーンを走り、タクシーのように呼べる小型の電動自動走行モビリティ。もし、自家用車が移動手段という従来の役割を果たせなくなる日が来ても、人々の移動手段を守り続けられるかもしれません。双方の強みと思いがかみ合った結果、経営陣の出資判断は、まさかの“即決”。プロジェクトがスタートしました。

    そして、今まさに社内のさまざまな部門が協力し、想いの実現に向け動き始めています。スズキとスタートアップの方々が肩を並べ、社会課題解決に挑む──その最前線のプロジェクトに伴走できることこそが、私にとっての大きなやりがいです。

  • 共創を生む拠点となり、世界へ技術を発信する

    「お客様の立場になって価値ある製品を作ろう」と企業理念にある通り、社会に貢献するものづくりは全社員の願いです。私も、スズキに入社した決め手は「人々を楽しませる製品を世の中に届けたい」という気持ちであり、今の仕事につながっています。これからも、新たなパートナーと手を組み、スズキの中に眠っている技術や想いを将来にわたって世界中のお客様に届けていきたい。そして、将来的には、自ら事業を創出できる存在・チームを目指していきたいと思います。

  • 豊かな自然に囲まれプライベートも充実

    スズキへの就職で浜松に来ましたが、アウトドア文化のおかげでプライベートも子育ても充実しています。趣味のサッカーやバイクを通じて多くの仲間ができましたし、家族とはキャンプやアクティビティを楽しんでいます。浜名湖でのSUP(スタンドアップパドルボード)遊びに出かけるなどすると、子どもたちが大はしゃぎで喜んでくれるのがうれしいですね。

     

    ※部署名、内容はインタビュー当時のものです。